市川崑監督の日本版ヌーヴェルヴァーグの傑作、初の舞台化!!
ナイロン100℃初の、映画原作の舞台化!!
映画は61年に公開された市川崑監督が生み出した日本映画のカルト的傑作。妻のほかに9人の愛人を持つテレビ・プロデューサーが、彼女たちに殺害を共謀される、というストーリーを、ブラック・ユーモアを交えながら描く。映画では岸恵子、山本富士子、中村玉緒、宮城まり子、岸田今日子など、そうそうたる女優陣が顔をそろえ、モノクロームで映し出されるスタイリッシュな映像は、未だ根強いファンの心をとらえて離さない。
今回KERAは「自己疎外の状態にある現代人の、『人間が人間でありたい』というノスタルジーの物語である。」という脚本の和田夏十の言葉を胸に頂き、原作映画に描かれた「テレビ創世期」に漂う独特の時代感はそのままに、全方位の円形舞台でこそ生み出せる劇空間を存分に使い、演劇ならではの「黒い十人の女」を再生させることでしょう。映画版では描かれなかったエピソードも加えられ、実験的でスタイリッシュな、ナイロン100℃にしか創れないエンターティンメント作品をお届けします。
女優陣の層の厚さと演技力に定評があるナイロン100゜C版、「黒い十人の女」に乞ご期待!
≪ストーリー≫
TVプロデューサーの風松吉は、9人もの愛人を持っていた。妻の双葉はそんな夫を諦めてレストラン経営で淋しい気持ちを紛らわしていた。愛人たちはお互いの存在をそれとなく知っており、風が浮気者であるという事も重々承知しているものの、何故か風から離れられないでいた。女たちは「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と口々に言うのだった。そんな話を耳にした風が思い悩んだ末の相談相手は、妻の双葉だった。そこで妻が立てた計画とは…。
1961年製作、市川崑監督の奇妙でスタイリッシュなフィルム・ノワール「黒い十人の女」の舞台化を企んだプロデューサーや演出家が、かつてどれだけいたことだろう。
それが実現する暁にはぜひとも出演したいと望んだ女優がどれだけいたことだろう。
舞台化されるならばぜひ観たいと思った観客がどれだけいたことだろう。
お待たせしました。ナイロン100℃が、映画版とはまた異なる「演劇ならではの方法」で「黒い十人の女」をほぼ全方位の裸舞台に立ち上げます。
ご期待ください。
主宰 ケラリーノ・サンドロヴィッチ